でこぼこ
笑美さんは俺の胸の中で数時間泣いた。
今まで泣けなかった分思い切り泣いていた。
この人の背負っていたものこんなに重くて大きかったんだ。もっと早く生まれてくれば良かった。
そしたらもっと早くこの重たい荷物背負えたのに。
もっと側で支える事だってできたはずだ。
そんな事を考えているうちに笑美さんは静かになった。寝息を立てて眠っていた。
今はとにかく休ませたい。この胸の中でーーー。
深く被ったフードを脱がして傷だらけの寝顔を覗きながらとにかく今は側にいたい。
年下でまだまだガキな俺がこの人にできる最大の恩返しはなんだろうか。そんな事も考えた。
明日目が覚めた時沢山話そう。側にいよう。
明日くらい学校休んでもバチは当たらねえと思うから。

俺はこの人が大好きだから。
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