余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
「天乃ちゃんはすごいなぁ。若くしてこんな病気が見つかったら自分のことでいっぱいいっぱいになるだろうに、僕なんかのことを気にしてくれて。君の中でならこいつもおとなしくしてるかもしれないね」
MRIの画像を指で軽くトントンと叩く彼に、私もほんの少し張り詰めていた神経が緩む。
でも、私はそんなにできた人間じゃないんです、先生。まだどこか他人事で、きちんと受け入れられていないだけなんですと、心の中で呟いていた。
一度は出直そうとしたものの、柏先生は本当にお人好しで「今からでも僕は一向に構わんよ。天乃ちゃんとご家族の好きなように」と言ってくれたので、一応家に電話してみた。
母は脳腫瘍と聞いただけでパニックになりそうなほどだったが、早く知って治療を進めたいとのこと。父はまだ仕事中で、今の状態の母ひとりで来るのは心配なので、弟に車で送迎してもらうことになった。
三十分も経たずにやってきたふたりはとても心配そうで、やや気まずい。四歳下の弟の楓も、「ぼーっと待ってられるわけねーじゃん」と院内にまでついて来た。
ウェーブパーマをかけたマッシュヘアが今時の子という感じで、性格もややドライな弟だが、家族や友達を放っておけないタイプだと知っている。こんな時にその優しさを実感するなんてね。
MRIの画像を指で軽くトントンと叩く彼に、私もほんの少し張り詰めていた神経が緩む。
でも、私はそんなにできた人間じゃないんです、先生。まだどこか他人事で、きちんと受け入れられていないだけなんですと、心の中で呟いていた。
一度は出直そうとしたものの、柏先生は本当にお人好しで「今からでも僕は一向に構わんよ。天乃ちゃんとご家族の好きなように」と言ってくれたので、一応家に電話してみた。
母は脳腫瘍と聞いただけでパニックになりそうなほどだったが、早く知って治療を進めたいとのこと。父はまだ仕事中で、今の状態の母ひとりで来るのは心配なので、弟に車で送迎してもらうことになった。
三十分も経たずにやってきたふたりはとても心配そうで、やや気まずい。四歳下の弟の楓も、「ぼーっと待ってられるわけねーじゃん」と院内にまでついて来た。
ウェーブパーマをかけたマッシュヘアが今時の子という感じで、性格もややドライな弟だが、家族や友達を放っておけないタイプだと知っている。こんな時にその優しさを実感するなんてね。