余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
「俺もいいと思う。じーちゃんが通院してたのも白藍だったし、対応がいいって言ってたよな」
「そうね。他にも一応調べてみますが、まずはそちらに伺いたいと思います」

 いくらか落ち着いてきた母もそう答え、先生はうんうんと頷いた。

 楓の言った通り、祖父は夏くんが最初に異常に気づいてからずっと白藍でお世話になっていた。だから、私も家族も白藍のよさはよくわかっている。けれど……。

「白藍の脳外科には、若いのにかなり優秀な腕を持った子がいるんですよ〜。僕のお墨つき。今そこの紹介状を──」
「あの!」

 咄嗟に声をあげた私に、皆が驚いて口をつぐむ。

「すみません、白藍以外に手術を受けられる病院は本当にありませんか?」

 ふたりが納得しているのに、私が拒否するとは意外だっただろう。柏先生も戸惑いを露わにしている。

「白藍以外となると、なかなか難しいと思うよ。この場所は手術自体しないと言う医者も多いくらいだから、ほかの病院へ行っても断られてしまうかもしれない」

 そんなに最悪な状態なんだ……。どのドクターもお手上げだなんて、悪性度がどうであれ死を待つしかないじゃないか。

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