余命1年半。かりそめ花嫁はじめます~初恋の天才外科医に救われて世界一の愛され妻になるまで~
柏先生の見解では、私の腫瘍は神経や血管を巻き込んでいる可能性が高く、手術中にそれらを傷つけると重大な障害を起こしてしまうという話だった。
たとえ手術ができたとしても、悪性の腫瘍は少しでも残っているとその部分からまた増大していく。このスピードによって予後が変わってくるが、何年も寿命を延ばすことは難しい。
つまり、いくら夏くんでも完治させるのは不可能だということ。だったら、あえてリスクを負う手術をする必要はないかもしれない。
「まあ、まずはそっちの病院でも検査してみてだよね。柏先生の所見が外れてることは、まずないだろうけど」
悪性の中でもグレードの低いものなら、わずかではあるが長く生きられる。今の希望はそれだけだ。
それでも平均余命は五年から十年か。旅行したり美味しいものを食べたり、そういうやり残しはなくせそうだけど、結婚は無理かな。いつ死ぬかわからない女をもらってくれる神様みたいな人、なかなかいないよね……。
なんてぼんやり考えていると、隣から洟をすする音が聞こえてくる。
「なんでなのかしらね。なんで天乃が……」
ずっと気丈に振る舞っていた母が、糸が切れたみたいに泣き出してしまった。
たとえ手術ができたとしても、悪性の腫瘍は少しでも残っているとその部分からまた増大していく。このスピードによって予後が変わってくるが、何年も寿命を延ばすことは難しい。
つまり、いくら夏くんでも完治させるのは不可能だということ。だったら、あえてリスクを負う手術をする必要はないかもしれない。
「まあ、まずはそっちの病院でも検査してみてだよね。柏先生の所見が外れてることは、まずないだろうけど」
悪性の中でもグレードの低いものなら、わずかではあるが長く生きられる。今の希望はそれだけだ。
それでも平均余命は五年から十年か。旅行したり美味しいものを食べたり、そういうやり残しはなくせそうだけど、結婚は無理かな。いつ死ぬかわからない女をもらってくれる神様みたいな人、なかなかいないよね……。
なんてぼんやり考えていると、隣から洟をすする音が聞こえてくる。
「なんでなのかしらね。なんで天乃が……」
ずっと気丈に振る舞っていた母が、糸が切れたみたいに泣き出してしまった。