スカイ・ネイル
「わからないものに対して思考を張り巡らしたところで、その時間は無意味だ。戦闘の際も必ず足を引っ張る。・・・・・・自分を強く持て。そうすれば、要らぬ考えは捨てられるはずだ」
「自分を・・・強く・・・・・・」
「ねーぇ!あそこに小魚がたくさんいるわよ!・・・・・・って、みんなどうかしたの?」
ルチルの明るい声が重かった空気を和らげる。
今までのことはルチルには話していない。
傷が癒えたとはいえ、やはりピケのことを気にしているようで、更に俺のことで悩ませるのは嫌だと思ったからだ。
「いや、何でもないよ」
一気にいろんなことが起こり今はまだ整理がつけられないけど。
君が笑っていてくれさえすれば、それで・・・・・・。
するとルチルの顔が急にこちらに近付いてくる。
何事かと思わず座り込んだまま後退りする体制になると、彼女はお構い無しに至近距離でリースを見つめる。
「な、なに・・・・・・」
「・・・・・・嘘ついてる」
不満そうにぽそりと呟くと、ルチルはリースから離れ立ち上がる。
「言いたくないなら言わなくてもいいけど。リースが悩んでることくらいわかるんだから。・・・・・・話せる時が来たら、ちゃんと話してよ」
ああ。
君には敵わないな。
結局気を使わせてしまって、これじゃあ隠しても何の意味もないじゃないか。