君との恋のエトセトラ
「いらっしゃいませ!」
「こんにちはー、凛ちゃん。今日は何がオススメ?」
「今日のオススメは、餃子とシュウマイの中華弁当です。にんにくが効いててお酒にも合いますよ」
「おっ、それなら昼間から飲んじゃおっかなー」

常連客と笑顔でやり取りする凛を、航は隣の和室でパソコンをしながら見守る。

初めは近くのワーキングスペースで凛の仕事終わりを待っていたが、ここにいたらいい、と妙と勝治は和室に航を呼んだ。

休憩時間になると、4人で食卓を囲む。
そして妙と凛が銭湯へ行くと、航は勝治を手伝って無償で店番をした。

「あらやだ。イケメンがいるわ!」

近所のおば様達の噂はたちまち広がり、毎週土曜日の15時からは、航を目当てに続々と奥様方がやって来た。

「ひゃー!凛ちゃんと航さん効果で、土曜日の売り上げはエベレスト級よ」

妙と勝治は、忙しく動き回りながら二人に笑ってみせた。
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