電話越しで副社長に恋をしました。

翌週の金曜日、オフィスは慌ただしい雰囲気に包まれていた。
「湯元さん、いいかな? 副社長って呼ぶんだぞ」
朝から何度も課長たちに言われる。どうやら、役職で呼んじゃいけないルールを心配しているらしい……。大丈夫なのになぁ。
「失礼ないように」
副社長が来るなんて緊張する。
ノックが鳴って私は慌てて立ち上がり扉を開けた。
「お、お疲れ様です」
「お疲れ様」
目の前にはスーツを着こなして立っている男性がいた。黒髪の短髪は清潔感があり、キリッとしている眉毛と意志の強そうな綺麗な二重の瞳。
彼の姿を見ると私の記憶が一気によみがえってきた。あ、あのときの?
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