電話越しで副社長に恋をしました。
入社式の日。
慣れない東京でアタフタしていた私に、お年寄りの女性が話しかけてきた。彼女は仲の良かった友人が入院し、お見舞いのために九州から東京に来たらしく、道に迷ったらしい。
地図を一緒に見ていたが、入社式に間に合わない。
でも放っておくことができずに、一緒に歩きだした。
ゆっくりと大変そうに歩いていたので、おんぶしてあげようとしゃがむ。
『華奢なお嬢さんに悪いわ』
「背中へどうぞ」
そんなやり取りをしていると車が停車した。
中から降りてきたビジネスマンに事情を話すと、職場を聞かれた。
私は怪しいものだと思われたくなかったので、会社名と自分の携帯番号と名前を渡した。すると彼は信用してくれたらしく女性を車で送ってくれることになった。
お礼をしてなんとか入社式に間に合ったのだ。
きっと、自分の会社の社員だとわかっていて、名前を覚えていてくれたのだ。