電話越しで副社長に恋をしました。
「湯元さん」
打ち合わせを終えた副社長が私を呼ぶ。
「は、はい」
顔を上げずに副社長の目の前に行く。
声を聞くだけで、耳が熱くなってしまう。
目を見てまともに話すなんて、かなりハードルが高い。
「顔を上げてください」
「はい……」
おそるおそる顔を上げると、私を見つめるキレイな瞳と目が合った。
あぁ……どうしよう。心臓が壊れてしまいそうだ。
「顔が赤いですが、熱でもあるのではないですか?」
「い、いえ……少し暑くて……」
「いやぁ、副社長のオーラにやられているんですよ」
所長が笑っている。
「懇親会、参加してもらえますか?」
「え、あ、あの」
「もちろん参加しますよ! ねぇ、湯元さん」
「あ、ええ……はい」
所長が勝手に返事をしてしまう。私は曖昧な笑みを浮かべるしかなかった。