愛を秘めた外交官とのお見合い婚は甘くて熱くて焦れったい
「えっと……」
その物言いから察するに、本当はひとりで来るつもりだったようだ。
彼が見るからに不本意そうだから、四人掛けに案内するべきか迷う。
瞬時に判断がつかず千隼さんの顔色を窺うと、私と視線を合わせた彼は三人を振り返って伝えた。
「俺は離れているから、櫛田たちはテーブル席で飲んでいてくれ」
「せっかく皆で来たんですから、千隼先輩も一緒に飲みましょうよ」
さっさといつもの端の席へ向かおうとした千隼さんを呼び止めたのは、山科さんだった。
その手は遠慮なく千隼さんの腕に添えられており、親密な仕草に胸が痛んだ。今は仕事中なのだと自身に言い着せて、必死に見ないふりを通す。
もめればほかの客の迷惑になりかねず、千隼さんが渋々といった様子で従った。男性ふたりは先に席についてしまい、彼の隣には山科さんが座る。
「騒がしくて、すまない」
おしぼりを手渡す私に、千隼さんが申し訳なさそうに眉を下げた。
「大丈夫」
浮かべた笑顔は、引きつっていないだろうか。感情を隠しきる自信がなくて、オーダーを聞くとすぐに立ち去った。
これでは、千隼さんだけにおかずを出すわけにもいかない。
連れの会話に合図地を打つ彼を横目に、そっと息を吐き出した。
その物言いから察するに、本当はひとりで来るつもりだったようだ。
彼が見るからに不本意そうだから、四人掛けに案内するべきか迷う。
瞬時に判断がつかず千隼さんの顔色を窺うと、私と視線を合わせた彼は三人を振り返って伝えた。
「俺は離れているから、櫛田たちはテーブル席で飲んでいてくれ」
「せっかく皆で来たんですから、千隼先輩も一緒に飲みましょうよ」
さっさといつもの端の席へ向かおうとした千隼さんを呼び止めたのは、山科さんだった。
その手は遠慮なく千隼さんの腕に添えられており、親密な仕草に胸が痛んだ。今は仕事中なのだと自身に言い着せて、必死に見ないふりを通す。
もめればほかの客の迷惑になりかねず、千隼さんが渋々といった様子で従った。男性ふたりは先に席についてしまい、彼の隣には山科さんが座る。
「騒がしくて、すまない」
おしぼりを手渡す私に、千隼さんが申し訳なさそうに眉を下げた。
「大丈夫」
浮かべた笑顔は、引きつっていないだろうか。感情を隠しきる自信がなくて、オーダーを聞くとすぐに立ち去った。
これでは、千隼さんだけにおかずを出すわけにもいかない。
連れの会話に合図地を打つ彼を横目に、そっと息を吐き出した。