愛を秘めた外交官とのお見合い婚は甘くて熱くて焦れったい
「小春が山科にされたことを、教えてほしい」
千隼さんに請われて、ポツリポツリと話はじめる。
「山科さんは紅葉亭にはひとりで来てくれる日もあって、少しずつ打ち解けていったの。それで、休日にカフェに行こうと誘われて」
違和感を覚えながら誘いに乗ったのは、祖父や父に心配させたくなかったからだ。
今思えば、店に通ってくれていたのは、私が彼にふさわしいのかを見極めようとしていたのだろうか。
カフェへ行ったあの日、はじめは和やかな雰囲気だった。それが突然、彼女の態度がガラリと変わった。
千隼さんと交際していたとはたしかに断言していなかったものの、学生の頃から親密な関係にあったと示唆されて、付き合っていたのかもしれないと思い込まされた。
以来ずっと不安が付きまとい、今でも好き合っているのではと疑ってもいたと本音を明かした私に、彼はあらためて否定と謝罪をした。
「山科は、本当に後輩でしかない。俺が彼女に好意を抱くなど、一度もなかった」
信じてくれと強く主張するように、千隼さんが前のめりになって私の顔を覗き込む。
「向こうから言い寄られるわけでもなく、俺も彼女に対して興味を持っていなかった。嫌な言い方になるが、自分にとって無害ならどうでもいいと放っておいてしまった。あの頃は試験勉強に集中したいのに、しつこく言い寄ってくる女性がいて辟易していたんだ」
彼らしくない、ずいぶん冷たい考え方だ。
けれど、当時から千隼さんがモテていただろうと想像に容易くて、大変だったのも事実なのだろうと納得する。
もう十分にわかったからと何度もうなずくと、ようやく彼は納得してくれた。
千隼さんに請われて、ポツリポツリと話はじめる。
「山科さんは紅葉亭にはひとりで来てくれる日もあって、少しずつ打ち解けていったの。それで、休日にカフェに行こうと誘われて」
違和感を覚えながら誘いに乗ったのは、祖父や父に心配させたくなかったからだ。
今思えば、店に通ってくれていたのは、私が彼にふさわしいのかを見極めようとしていたのだろうか。
カフェへ行ったあの日、はじめは和やかな雰囲気だった。それが突然、彼女の態度がガラリと変わった。
千隼さんと交際していたとはたしかに断言していなかったものの、学生の頃から親密な関係にあったと示唆されて、付き合っていたのかもしれないと思い込まされた。
以来ずっと不安が付きまとい、今でも好き合っているのではと疑ってもいたと本音を明かした私に、彼はあらためて否定と謝罪をした。
「山科は、本当に後輩でしかない。俺が彼女に好意を抱くなど、一度もなかった」
信じてくれと強く主張するように、千隼さんが前のめりになって私の顔を覗き込む。
「向こうから言い寄られるわけでもなく、俺も彼女に対して興味を持っていなかった。嫌な言い方になるが、自分にとって無害ならどうでもいいと放っておいてしまった。あの頃は試験勉強に集中したいのに、しつこく言い寄ってくる女性がいて辟易していたんだ」
彼らしくない、ずいぶん冷たい考え方だ。
けれど、当時から千隼さんがモテていただろうと想像に容易くて、大変だったのも事実なのだろうと納得する。
もう十分にわかったからと何度もうなずくと、ようやく彼は納得してくれた。