愛を秘めた外交官とのお見合い婚は甘くて熱くて焦れったい
 翌日になり、父とも紅葉亭について話をした。
 祖父の了承もとり、店の再開に向けてすでに準備をしはじめていると伝えられれば、父が反対できるはずもない。

「小春にも千隼君にも、本当に申し訳ない」

 本来なら明るい性格の父が、ガックリと肩を落とす姿に胸がズキリと痛む。

「千隼君も快く了解してくれているとはいえ、小春を長く拘束するわけにはいかないから、父さんもリハビリをがんばらないとな」

 必ずうなずいてくれるように話を持っていった自覚はあるし、父だってそれは察しているだろう。
 渋ったのはほんの一瞬で、大きなため息とともに受け入れてくれて安堵する。
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