愛を秘めた外交官とのお見合い婚は甘くて熱くて焦れったい
 しばらくして、体を起こした千隼さんがゆっくりと動きはじめる。
 痛みはさほどないものの、初めての感覚を受け入れるだけで精いっぱいだ。

「あぁっ」

 なにがなんだかよくわからないでいたが、体の奥の一点を掠めた瞬間に大きな声が漏れる。途端になんとも言えないむず痒い快感が、全身を支配した。
 目を細めて私を見つめた千隼さんは、それから同じ個所を繰り返し刺激してくる。

「あっあっ……」

 強い刺激に、恥じらいも忘れてあられもない声をあげた。
 それから千隼さんに必死にしがみついたまま、自らも快感を追い求めるように自然と腰を揺らした。

 閉じた瞼の裏が次第に白んでいく。それに呼応するように、千隼さんの動きが激しさを増した。
 たまらず手足をぎゅっと握り込む。
 その直後についに絶頂を極めて、悲鳴のような嬌声をあげた。

 同時に動きを止めた千隼さんが、ガクガクと痙攣する私の体をかき抱いた。
 抱きしめ返す力は、もう残っていない。四肢を投げ出して、ぼんやりと天井を見つめた。

 鼓動が落ち着きを取り戻した頃、とさりと隣に横たわった千隼さんが私を抱き寄せる。彼の胸もとに頬を寄せて、そっと瞼を閉じた。

「愛してる」

 霞みゆく意識の片隅で、再び告白される。
 眠気に襲われながらもうなずき返したが、動作はあまりに緩慢で、伝えられたか不明のまま意識を手放した。
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