宿り木カフェ
「この『宿り木カフェ』のサイトは、本当に必要な方にしか本来見つけられないようになっています。
ですので、トラブルも非常に少ないですが、その後音沙汰がないということは、皆様このカフェに寄る必要が無くなったと言う事だと思っています。
スタッフの皆様には、またこのカフェを必要とする、新たなお客様の話し相手で今後もお願い出来ればと」
そういうと、セイヤは全員に向かい笑顔を浮かべた。
「それにしても不思議だよね、このサイト。
必要じゃない女性にはたどりつけないっていうの」
少ししてぼそりとタクヤが呟いた。
「僕も半信半疑でしたが、友人に試してもらったら誰も見つけられませんでした」
「イチロウ君、そんなこと頼める女の子の友達が居て良いね」
何故かずれた事を話したオサムに、リュウが軽く笑っている。
「ここのスタッフもセイヤさんが見つけるし、その男達は何かしたい、そして出来る能力のある人間を見つけられるって本当に凄い事だよ。
自分が事業をしているから、『宿り木カフェ』やこの『Cafe Mistletoe』のオーナーでもあるセイヤさんの正体が気になって仕方ないけどね」
「正体?」
少し笑みを浮かべながらそう話すリュウに、首をかしげながらイチロウは言った。
『宿り木カフェ』のスタッフはセイヤ自身がスカウトをし、その時にセイヤ自身の話も聞いていたので、イチロウはリュウの言葉がいまいち理解出来なかった。
「『宿り木カフェ』は完全にセイヤさんの趣味みたいなものだろうし、この喫茶店で他をまかなえるほどの収入が得られるわけがない。
セイヤさんから会社の名刺渡されてその会社の登記確認したけど、あれが本体な訳が無いし。
他で何か大きな事、してるんですよね?」
楽しそうに話すリュウに、セイヤは静かに笑みを浮かべている。
「そうですね、私がというより、私の所属しているところに資金がある、というところでしょうか。
もちろん、不法な組織ではありませんのでご安心下さい」
「あのー、イチロウ君が二人の笑みに怯えているのでその辺にしておけば?」
タクヤが呆れたように突っ込んで、リュウとセイヤは苦笑いを浮かべ謝罪した。
「・・・・・・ありがとうございます、怖かったです」
「だろー、あの二人は笑顔だけど腹の中がわかんなくて怖いんだよ」
イチロウが隣のタクヤに小さな声でお礼を言うと、ニヤリとタクヤは返した。