姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
彼が日勤の日は朝五時半に起床し、七時に送り出す。午前中は家事をおこない、午後は食材の買い出しに出かけたりする。そして日によって変動する彼の帰宅時間に合わせて出迎える。緊急の対応がなければ午後七時頃には帰ってこられるけれど、たいていは残業があり、ベッドに入れるのは日付を跨ぐ日もあった。もちろんそれにはなんの不満もない。問題はここからだ。
結婚して二週間、寝室もベッドも一緒なのに、ドキドキするような出来事がひとつもないのだ。雅貴さんにおでこにキスすらしてもらえない。さすがに私は焦りを感じていた。
彼が言う〝ゆっくり〟とは、月単位、あるいは年単位の話なのだろうか。いくらふたりで長い人生で歩んでいくといっても、もう少し触れ合いたいと思ってしまう。好きなのだから当然だ。
とはいえ、私を気遣ってそうしてくれている彼にはなかなか言い出せない。嫌じゃないとは伝えたものの、彼は私がこんなにも恋焦がれているとは知らないのだろう。
しかたがないので、雅貴さんが就寝したあと、真夜中にぴとっとくっついてみたりしている。まったく彼が気づいていないのをいいことに、思う存分ぬくもりを堪能しているのは内緒だ。それくらいは許してほしい。
結婚して二週間、寝室もベッドも一緒なのに、ドキドキするような出来事がひとつもないのだ。雅貴さんにおでこにキスすらしてもらえない。さすがに私は焦りを感じていた。
彼が言う〝ゆっくり〟とは、月単位、あるいは年単位の話なのだろうか。いくらふたりで長い人生で歩んでいくといっても、もう少し触れ合いたいと思ってしまう。好きなのだから当然だ。
とはいえ、私を気遣ってそうしてくれている彼にはなかなか言い出せない。嫌じゃないとは伝えたものの、彼は私がこんなにも恋焦がれているとは知らないのだろう。
しかたがないので、雅貴さんが就寝したあと、真夜中にぴとっとくっついてみたりしている。まったく彼が気づいていないのをいいことに、思う存分ぬくもりを堪能しているのは内緒だ。それくらいは許してほしい。