姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
 そんなある日。結婚式に出席してくれた友人の実結(みゆ)から、【近々百花の都合がいい日に晩ごはんでも食べに行こう】とメッセージが届いた。

 雅貴さんに話したら、行っておいでと快く促してくれる。明後日なら彼は学会に出席するため、食事の用意は必要ないという。

 そういうわけで、とんとん拍子で日取りが決まった。

「久しぶりに楽しんでおいで」

 そんなふうに送り出してくれる彼は、完璧すぎるくらい理想の旦那さまだ。

 翌々日の夕方、ダイニングバーに友人三人が集まってくれた。実結と瑞季(みずき)、わかばだ。

 三人とも高校時代からの友人で、それぞれ別の会社でOLとして働いている。私だけ彼氏がいなかったのに、いきなり真っ先に結婚が決まるという大どんでん返しだ。

「じゃあ改めて、百花、結婚おめでとう! かんぱーい!」

「ありがとう」

 キラキラ光るグラスを掲げた。飲み物を注ぐと底のLEDが点滅し、いろいろな色に発光する仕組みになっているみたいだ。とてもきれいで場の雰囲気が華やぐ。初めて訪れた店だけれど、内装もとてもおしゃれだ。

「まさか百花が一番乗りだなんてね。しかもお相手は大病院の次期院長っていうとんでもない玉の輿だし」

「なによりも雅貴さんが高身長のイケメンすぎてびっくりしちゃった」

「ほんとそれ! チャペルで新郎の入場シーンが美しすぎて、シャッターを押す指が止まらなかったよ。そこだけでも軽く百枚は撮ったかも」

 
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