姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
「つーか瑠奈、この子誰?」

 男性のひとりがようやく私に気づいたかのように顎でしゃくった。

「ああ、ちょっとした知り合い?」

「なんだよそれ」

 瑠奈さんの回答に、男性が可笑しそうに笑う。

「かわいいじゃん。せっかくだし君も一緒に飲む? あっちにいっぱい男いるよ?」

「け、けっこうです」

 雅貴さん以外の男性と話し慣れていない私は思わず声が上擦った。

 「ビビってんじゃん。瑠奈の知り合いにしてはずいぶん初々しいな」

「この子はそういうのが売りだから」

 好き勝手言う彼らに対し、眉をひそめるのが精いっぱいだ。

「瑠奈さん、この男性たちとはどういう関係なのですか?」

 問いかけると、彼女は鼻で笑う。

「ただの男友だちよ。雅貴さんに余計なことを言ったら承知しないから」

 瑠奈さんはそう言い置き、男性たちと去っていった。私はそれを呆然と眺める。

 想像すらしていなかったライバルの登場に、戸惑いを隠しきれない。もう私と雅貴さんは結婚しているのに、少しも安心できなかった。今後瑠奈さんがどういう行動に出るのか考えもつかず、途方に暮れた。

 そのあと席に戻っても、実結たちにすら瑠奈さんのことを相談できなかった。


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