姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
 それから三日が経った。瑠奈さんと会った出来事は、雅貴さんに報告していない。

 ただ、わかばにもらったスクラップブックを見せたときに、親族一同で写っていた写真があったので、瑠奈さんの話を持ち出してみた。

「いとこの瑠奈さんも久宝総合病院で働いているんですよね。院内で顔を合わせたりするのですか?」

「仕事上ではほとんどないよ。たまにドクタールームに差し入れを持ってきてくれるから、そのときに少し話すくらいかな」

 雅貴さんにはもうひとりいとこがいて、その人も久宝総合病院で臨床検査技師として勤務しているそうだ。雅貴さんの口ぶりからはとくに瑠奈さんを意識しているようには感じられなかった。

 どうやら雅貴さんは瑠奈さんの気持ちを知らないみたいだ。

 もし、彼女が想いを寄せていると知ったらどういう反応をするだろうか。

 見た目はお人形のようにきれいな人だから、雅貴さんでも揺らぐかもしれない。瑠奈さんを振って私との結婚を継続してくれるという自信がなかった。瑠奈さんがいつどんなことを仕掛けてくるのかと思うと気が休まらない。

 それに、私は自分で思っていたよりも打たれ弱かったようで、まだあの日のことを引きずっていた。

 実結や瑞季、わかばとは、いつもと変わらずたわいないメッセージを送り合っているけれど、心の中では〝よく姉の許嫁と結婚できたよね〟と幻滅しているのではないかとクヨクヨしているのだ。そんな友人たちではないとわかっているのに、情けないくらい落ち込んでいた。

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