姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
「どうしたの? この間、友だちとなにかあった?」

 よほど鬱々とした雰囲気を醸し出していたのだろう。その夜、とうとう雅貴さんに心配されてしまい、私は慌てる。

 しかも『友だちとなにかあった?』と原因を的確に察するところがすごすぎる。

「いえ。お祝いしてもらって、とっても楽しかったです」

「そう。またいつでも行っておいで。うちに遊びに来てもらってもいいし」

 雅貴さんは深く追及してこず、微笑みかけてくれた。

「……私は雅貴さんと過ごす時間を大切にしたいです」

 開き直って投げかけてみた。

 結婚して一カ月、彼の仕事が忙しくて、ほとんど夫婦の時間を作れていないのだ。

「それじゃあ明日、デートしようか」

 雅貴さんにさらっと誘われ、私は大袈裟なくらい驚いてしまう。

「えっ、いいんですか?」

「だめなわけないだろ」

 雅貴さんはクスクス笑った。

「この土日はひさしぶりにゆっくりできそうだから、百花に声をかけようと思っていたんだ。どこか行きたい場所はある?」

「ひまわり畑を見に行きたいです」

 私は即答した。七月上旬の今はまだ少し早いかもしれないけれど、黄色が一面に広がる絶景が見てみたい。

「いいね。東京から少し足を伸ばせば見頃を迎えている場所がありそうだ」

 すぐに雅貴さんが調べてくれ、明日は彼の運転で都外へのデートが決まる。

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