姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
笑みを交わしながらグラスを手に取ったとき、目の前でガタッと大きな音がした。禎人さんが突然テーブルに倒れ込み、私は慌てて立ち上がる。
「禎人さんっ? どうしたのですかっ?」
「……あ、頭が……」
「頭が痛いのですかっ?」
禎人さんは頭部を手で押さえてうなずいた。
いきなりこんなにひどそうな頭痛に襲われるなんてただごとじゃない。緊急事態だ。
「大丈夫ですか!? すぐに救急車を呼びます!」
禎人さんの意識が朦朧とし始めたので、迷わずスマートフォンから119番に通報した。
『はい、119番、消防庁です。火事ですか? 救急ですか?』
通信指令員の声が聞こえる。
「救急車をお願いします!」
『場所はどちらですか? まずは救急車が向かう住所を教えてください』
異変に気づいたレストランの店員さんが、すかさずお店の名刺を差し出してくれた。
うろたえつつも一字一句、慎重に読み上げる。
『住所が確認できました。どなたがどうされましたか?』
「三十代半ばの義兄が急に激しい頭痛に襲われ、意識が朦朧としています!」
『救急車が到着するまで、できれば体を横にして安静に寝かせてください』
通信指令員の指示通り、店員さんに助けてもらいながら応急手当をおこなった。
最後に私の名前と電話番号を伝え、電話を切る。
「禎人さんっ? どうしたのですかっ?」
「……あ、頭が……」
「頭が痛いのですかっ?」
禎人さんは頭部を手で押さえてうなずいた。
いきなりこんなにひどそうな頭痛に襲われるなんてただごとじゃない。緊急事態だ。
「大丈夫ですか!? すぐに救急車を呼びます!」
禎人さんの意識が朦朧とし始めたので、迷わずスマートフォンから119番に通報した。
『はい、119番、消防庁です。火事ですか? 救急ですか?』
通信指令員の声が聞こえる。
「救急車をお願いします!」
『場所はどちらですか? まずは救急車が向かう住所を教えてください』
異変に気づいたレストランの店員さんが、すかさずお店の名刺を差し出してくれた。
うろたえつつも一字一句、慎重に読み上げる。
『住所が確認できました。どなたがどうされましたか?』
「三十代半ばの義兄が急に激しい頭痛に襲われ、意識が朦朧としています!」
『救急車が到着するまで、できれば体を横にして安静に寝かせてください』
通信指令員の指示通り、店員さんに助けてもらいながら応急手当をおこなった。
最後に私の名前と電話番号を伝え、電話を切る。