姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
心臓がバクバクと早鐘を打っている。救急車が到着するまでの時間がひどく長く感じた。
ようやくサイレンの音が聞こえ、救急車がやって来る。数人の救急隊員が降りてきて、禎人さんは担架で運び込まれた。私も付き添いとして同乗する。
受け入れ先は雅貴さんのいる久宝総合病院に決まった。救急隊員は禎人さんに酸素マスクやいろいろな検査器具をつけながら、病院と詳細な連絡を取り合っている。
禎人さんは久宝総合病院の救急車専用入口から速やかに救急外来の処置室に連れていかれた。
私はスタッフに教えられた待合室へ向かう。
ここからは私にできることはなにもない。どうか助かってほしいと祈るだけだ。
落ち着かなくて椅子に座ることもできずにうろうろしていたら、姉が待合室に飛び込んできた。
救急車に乗っているとき、残業中の姉に電話を入れていたのだ。
「百花、禎人さんはっ?」
「今は処置室にいるよ」
私は姉に、禎人さんが倒れた状況を伝えた。姉いわく、禎人さんは数日前から軽い頭痛がすると言っていたみたいだ。でも鎮痛剤を服用するほどではなく、普通に過ごしていたという。いったい今禎人さんの体でなにが起こっているのだろうか。
「もし百花が一緒にいてくれていなかったら、禎人さんは今頃ひとりで倒れていたかも……」
ようやくサイレンの音が聞こえ、救急車がやって来る。数人の救急隊員が降りてきて、禎人さんは担架で運び込まれた。私も付き添いとして同乗する。
受け入れ先は雅貴さんのいる久宝総合病院に決まった。救急隊員は禎人さんに酸素マスクやいろいろな検査器具をつけながら、病院と詳細な連絡を取り合っている。
禎人さんは久宝総合病院の救急車専用入口から速やかに救急外来の処置室に連れていかれた。
私はスタッフに教えられた待合室へ向かう。
ここからは私にできることはなにもない。どうか助かってほしいと祈るだけだ。
落ち着かなくて椅子に座ることもできずにうろうろしていたら、姉が待合室に飛び込んできた。
救急車に乗っているとき、残業中の姉に電話を入れていたのだ。
「百花、禎人さんはっ?」
「今は処置室にいるよ」
私は姉に、禎人さんが倒れた状況を伝えた。姉いわく、禎人さんは数日前から軽い頭痛がすると言っていたみたいだ。でも鎮痛剤を服用するほどではなく、普通に過ごしていたという。いったい今禎人さんの体でなにが起こっているのだろうか。
「もし百花が一緒にいてくれていなかったら、禎人さんは今頃ひとりで倒れていたかも……」