姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
そんなある夜。
「このところ、おじいさまの体調が安定しているみたいだから、次の休みに顔を見に行こうと思うんだ」
雅貴さんに提案された。
「はい、ぜひ」
おじいさまは心臓の病気になり自宅療養中で、ずっとお見舞いに行きたいと考えていたのだけれど、お体の負担になってはいけないと様子を見ていたのだ。
結婚式以来会っていないので、三カ月ぶりくらいだ。
雅貴さんのおじいさまは、妻のおばあさまが数年前に亡くなったあとも、ひとりで広いお屋敷に住んでいるという。九カ月前に緊急入院したのち、自宅療養になった機会に雅貴さんの両親が同居を申し出たそうだけれど、男性の看護師が常駐していてお手伝いさんも通っているので不自由はないと、おじいさまが断ったという。
数日後におじいさまの大好物だという梅干しを手土産にして、雅貴さんの運転でお屋敷を訪れた。
「百花さん、雅貴。よく来てくれたね」
おじいさまは寝室のベッドの上ではなく、リビングのリクライニングチェアに座って迎え入れてくれた。
表情も明るく、とても元気そうだ。
「おじいさま、ご無沙汰しております」
こうしてしっかりと対面するのは初めてで、ちょっとぎこちない挨拶になってしまった。
「こちらこそ。百花さんは雅貴と仲よく暮らしていたか?」
「はい。おかげさまで一度も喧嘩してしません」
私の返答が可笑しかったのか、おじいさまは愉快そうに笑う。思っていたよりも気さくな人柄のようで、すぐに緊張がほぐれた。
「このところ、おじいさまの体調が安定しているみたいだから、次の休みに顔を見に行こうと思うんだ」
雅貴さんに提案された。
「はい、ぜひ」
おじいさまは心臓の病気になり自宅療養中で、ずっとお見舞いに行きたいと考えていたのだけれど、お体の負担になってはいけないと様子を見ていたのだ。
結婚式以来会っていないので、三カ月ぶりくらいだ。
雅貴さんのおじいさまは、妻のおばあさまが数年前に亡くなったあとも、ひとりで広いお屋敷に住んでいるという。九カ月前に緊急入院したのち、自宅療養になった機会に雅貴さんの両親が同居を申し出たそうだけれど、男性の看護師が常駐していてお手伝いさんも通っているので不自由はないと、おじいさまが断ったという。
数日後におじいさまの大好物だという梅干しを手土産にして、雅貴さんの運転でお屋敷を訪れた。
「百花さん、雅貴。よく来てくれたね」
おじいさまは寝室のベッドの上ではなく、リビングのリクライニングチェアに座って迎え入れてくれた。
表情も明るく、とても元気そうだ。
「おじいさま、ご無沙汰しております」
こうしてしっかりと対面するのは初めてで、ちょっとぎこちない挨拶になってしまった。
「こちらこそ。百花さんは雅貴と仲よく暮らしていたか?」
「はい。おかげさまで一度も喧嘩してしません」
私の返答が可笑しかったのか、おじいさまは愉快そうに笑う。思っていたよりも気さくな人柄のようで、すぐに緊張がほぐれた。