姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
ほかにも雅貴さんの子どもの頃の話や、私が知らない一面をたくさん聞かせてくれた。
「雅貴は小学校低学年くらいまでは相当わんぱくでね、学校から帰ってくるたびにどこか怪我をしていて、母親を心配させていたんだ」
「えっ、雅貴さんが?」
「ああ。真冬に川に飛び込んだこともあったな」
「それは捨てられていた子猫を助けるためです」
雅貴さんがすかさず言い添えた。
「そうだった。その後、子猫は我が家に迎えたんだよ」
かわいい三毛猫で、おじいさまとおばあさまにかわいがられ十七年生きたという。なんとも心が温かくなる話だ。
それにしても雅貴さんは相当活発な男の子だったみたいだ。今の姿からは想像すらつかなかった。
でもその頃から命を大切にする優しい性格をしていたのが伝わり、うれしくなる。
「すみません。病院から電話です」
不意に雅貴さんのスマートフォンが鳴り、彼がリビングを出て行く。なにか緊急の事態があったのだろうか。
室内は私とおじいさまのふたりきりになる。
時計を見やると、いつの間にか一時間半が過ぎていた。
「長居してしまいすみません」
おじいさまの体に負担がかからないよう、早めにおいとまするつもりでいたのに、つい会話に夢中になってしまったのだ。
おじいさまはゆっくりとかぶりを振る。
「雅貴は小学校低学年くらいまでは相当わんぱくでね、学校から帰ってくるたびにどこか怪我をしていて、母親を心配させていたんだ」
「えっ、雅貴さんが?」
「ああ。真冬に川に飛び込んだこともあったな」
「それは捨てられていた子猫を助けるためです」
雅貴さんがすかさず言い添えた。
「そうだった。その後、子猫は我が家に迎えたんだよ」
かわいい三毛猫で、おじいさまとおばあさまにかわいがられ十七年生きたという。なんとも心が温かくなる話だ。
それにしても雅貴さんは相当活発な男の子だったみたいだ。今の姿からは想像すらつかなかった。
でもその頃から命を大切にする優しい性格をしていたのが伝わり、うれしくなる。
「すみません。病院から電話です」
不意に雅貴さんのスマートフォンが鳴り、彼がリビングを出て行く。なにか緊急の事態があったのだろうか。
室内は私とおじいさまのふたりきりになる。
時計を見やると、いつの間にか一時間半が過ぎていた。
「長居してしまいすみません」
おじいさまの体に負担がかからないよう、早めにおいとまするつもりでいたのに、つい会話に夢中になってしまったのだ。
おじいさまはゆっくりとかぶりを振る。