姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
さらにときは遡る。
雅貴さんに『百花ちゃんは二番目の女の子になんてなったらだめだよ』と諭されたのは、私が中学二年生、雅貴さんが大学二年生の頃だった。
当時の私は彼を姉の許嫁としか見ておらず、ふたりをお似合いだと思っていた。
そんなある日。
私は初めて恋をしたクラスメイトの男の子に自ら告白し、なんとも微妙な返事をもらった。
もやもやしながら帰宅したら、いつものように姉に会いにやって来た雅貴さんと玄関門扉の前でばったり顔を合わせたのだ。
『あ、雅貴さん』
『百花ちゃん、こんにちは』
道行く女性が頬をピンクに染めながら雅貴さんをチラチラと見ている。相変わらずそこにいるだけで華がある人だ。
姉という許嫁がいても彼を狙っている女性はたくさんいるだろう。
『こんにちは。お姉ちゃんに用ですよね? お姉ちゃん、実は一昨日から風邪で寝込んでいるんです』
『え、そうだったんだ』
『はい。でも今朝には熱もだいぶ下がったみたいなので声をかけましょうか?』
『いや、約束はしていないし、急ぎの用じゃないから大丈夫だよ。この間、凛花さんが読みたがっていた小説を持ってきたんだ。元気になったら渡しておいてもらえるかな』
差し出された紙袋には、難しそうなタイトルの分厚い単行本が入っていた。漫画ばかり読んでいる私には、雅貴さんと姉がなんだかものすごくおとなに思えた。
雅貴さんに『百花ちゃんは二番目の女の子になんてなったらだめだよ』と諭されたのは、私が中学二年生、雅貴さんが大学二年生の頃だった。
当時の私は彼を姉の許嫁としか見ておらず、ふたりをお似合いだと思っていた。
そんなある日。
私は初めて恋をしたクラスメイトの男の子に自ら告白し、なんとも微妙な返事をもらった。
もやもやしながら帰宅したら、いつものように姉に会いにやって来た雅貴さんと玄関門扉の前でばったり顔を合わせたのだ。
『あ、雅貴さん』
『百花ちゃん、こんにちは』
道行く女性が頬をピンクに染めながら雅貴さんをチラチラと見ている。相変わらずそこにいるだけで華がある人だ。
姉という許嫁がいても彼を狙っている女性はたくさんいるだろう。
『こんにちは。お姉ちゃんに用ですよね? お姉ちゃん、実は一昨日から風邪で寝込んでいるんです』
『え、そうだったんだ』
『はい。でも今朝には熱もだいぶ下がったみたいなので声をかけましょうか?』
『いや、約束はしていないし、急ぎの用じゃないから大丈夫だよ。この間、凛花さんが読みたがっていた小説を持ってきたんだ。元気になったら渡しておいてもらえるかな』
差し出された紙袋には、難しそうなタイトルの分厚い単行本が入っていた。漫画ばかり読んでいる私には、雅貴さんと姉がなんだかものすごくおとなに思えた。