姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
それにしても、わざわざ小説を届けるためだけに家までやって来るなんて、雅貴さんは本当にまめだ。というか、姉に会いたいだけなのだろうか。
きっと正解は後者だ。姉は彼に大切に想われている。
『お預かりします』
『で、こっちは百花ちゃんに。いただきものなんだけど、うちでは食べきれないから』
雅貴さんがもうひとつ持っていた紙袋は、私が大好きな和菓子の箱が入っていた。
『わあ、いいんですか。ありがとうございます。せっかくだから一緒に食べましょう』
もらうだけもらって帰すのは忍びない。雅貴さんを誘い、裏庭が見渡せる縁側に向かった。我が家は古い日本家屋で、土地だけは広大だ。
お茶を淹れ、きれいな箱を開ける。
『豆大福だ』
姉は甘いものが苦手なので、雅貴さんはいつも私にお菓子をくれる。よくよく考えてみたら、彼が姉に会いに来るたびに、私はなにかしらおいしいものをもらっているかもしれない。雅貴さんの家は都内随一の大病院を経営しているから、常にお礼の贈り物で溢れているのだろう。
『とってもおいしいです』
ほんのりとした塩味の柔らかいお餅と大きな黒豆、上品なこしあんが絶妙なバランスだ。
微笑みかけたら、隣に座っていた雅貴さんが私の顔をのぞき込んだ。
きれいな瞳が心配そうに細められる。
『百花ちゃん、なにかあった?』
きっと正解は後者だ。姉は彼に大切に想われている。
『お預かりします』
『で、こっちは百花ちゃんに。いただきものなんだけど、うちでは食べきれないから』
雅貴さんがもうひとつ持っていた紙袋は、私が大好きな和菓子の箱が入っていた。
『わあ、いいんですか。ありがとうございます。せっかくだから一緒に食べましょう』
もらうだけもらって帰すのは忍びない。雅貴さんを誘い、裏庭が見渡せる縁側に向かった。我が家は古い日本家屋で、土地だけは広大だ。
お茶を淹れ、きれいな箱を開ける。
『豆大福だ』
姉は甘いものが苦手なので、雅貴さんはいつも私にお菓子をくれる。よくよく考えてみたら、彼が姉に会いに来るたびに、私はなにかしらおいしいものをもらっているかもしれない。雅貴さんの家は都内随一の大病院を経営しているから、常にお礼の贈り物で溢れているのだろう。
『とってもおいしいです』
ほんのりとした塩味の柔らかいお餅と大きな黒豆、上品なこしあんが絶妙なバランスだ。
微笑みかけたら、隣に座っていた雅貴さんが私の顔をのぞき込んだ。
きれいな瞳が心配そうに細められる。
『百花ちゃん、なにかあった?』