姉の許婚に嫁入りします~エリート脳外科医は身代わり妻に最愛を注ぐ~
愛の行方
雅貴さんへの気持ちはどこまでも青天井で右肩上がりだ。
そうなると、やっぱり一刻も早く彼に抱いてもらいたいという欲が強くなる。はしたないように聞こえても、それが本音だからしかたがない。
またそろそろ色仕掛けをしてみようかな。
なんてよこしまな考えを浮かべていたら、ある夜いきなり姉が大きな荷物を抱えて私と雅貴さんのレジデンスにやって来た。
「しばらく泊めて」
「えっ、どうしたの?」
「禎人さんに離婚してほしいって言われた。ほかに好きな人ができたんだって」
「ええっ?」
思いも寄らない話に、私も雅貴さんも面食らった。
まさか、禎人さんに限ってありえない。いったいなにがあったのだろう。
とにかくリビングのソファに座ってもらい、事情を聞く。
「禎人さんはもう仕事も復帰してるんだよね?」
「うん。後遺症もなく、以前と変わらない生活を送れてるよ」
「よかった。それでいつ離婚の話になったの?」
「昨日いきなり。うまくいってると思っていたのに、人の気持ちってわからないものね。一瞬で移ろうんだもの」
姉は絶望しているのか、虚ろな目でつぶやいた。とっさに返す言葉が見つからない。
禎人さんから直接姉への想いを聞いた日から、まだ二カ月半しか経っていないのだ。しかも病気なって治療中だったというのに、いつほかに好きな人ができたというのだろうか。
そうなると、やっぱり一刻も早く彼に抱いてもらいたいという欲が強くなる。はしたないように聞こえても、それが本音だからしかたがない。
またそろそろ色仕掛けをしてみようかな。
なんてよこしまな考えを浮かべていたら、ある夜いきなり姉が大きな荷物を抱えて私と雅貴さんのレジデンスにやって来た。
「しばらく泊めて」
「えっ、どうしたの?」
「禎人さんに離婚してほしいって言われた。ほかに好きな人ができたんだって」
「ええっ?」
思いも寄らない話に、私も雅貴さんも面食らった。
まさか、禎人さんに限ってありえない。いったいなにがあったのだろう。
とにかくリビングのソファに座ってもらい、事情を聞く。
「禎人さんはもう仕事も復帰してるんだよね?」
「うん。後遺症もなく、以前と変わらない生活を送れてるよ」
「よかった。それでいつ離婚の話になったの?」
「昨日いきなり。うまくいってると思っていたのに、人の気持ちってわからないものね。一瞬で移ろうんだもの」
姉は絶望しているのか、虚ろな目でつぶやいた。とっさに返す言葉が見つからない。
禎人さんから直接姉への想いを聞いた日から、まだ二カ月半しか経っていないのだ。しかも病気なって治療中だったというのに、いつほかに好きな人ができたというのだろうか。