シェフな夫のおうちごはん~最強スパダリ旦那さまに捕まりました~
 私はすっかりのぼせてしまった。
 ふらふらの状態でお風呂から出て、明人さんに髪を拭いてもらっている。ただし、場所が浴槽からソファに変わっただけで、彼に抱きかかえられるようにして座っている格好だ。

「ちょっとイタズラが過ぎたか。ごめんね」
「い、いいえ……」

 イタズラっていうレベルじゃなかった。だってキスだけで終わらなくて、あのまま最後までしちゃうんじゃないかって思った。けれど、私がのぼせてしまったのでそこで中断された。
 ああ、でもきっと、今夜は寝られないんだなって予感はしている。

 結婚生活ってハードだ。
 嫌じゃないけど。むしろ、好きだけど。

 私が顔を傾けて背後にいる明人さんに目線をやると、彼はにっこり笑った。

「続きはあとでしようね」

 やっぱり浅井さんの言うクールな明人さんが私には想像できない。目の前にいるのは砂糖菓子みたいな甘々な人なんだもの。

「そういえば、浅井さんがうちに遊びに来たいと言っていましたけど、いいですか?」

 何気なく思い出したことを口にしたら明人さんの手が止まった。


※明人の心情(いい気分のときに浅井の名を口にされて腹が立つな。ちょっと意地悪してやろう)
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