御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
企業買収に関わることならば、彼が直接交渉をするのは当然だ。驚くことではない。
「あの人かぁ。雑誌で見たことある。真山さんは、お会いしたことあるの?」
隣の社員に尋ねられて、有紗は気まずい思いで口を開く。
「えーと……。海外事業部にはよくいらっしゃっていましたから……時々は……遠目からですが」
なんとなく、秘書であったことは隠して言う。それでも皆にとっては十分だったようだ。おおーっと声があがった。
「そうなんだ!」
「ねえ、本物はどんな感じなの?」
「前に友達がベリが丘に遊びに行った時に見かけたって言っててさ、そこらの芸能人よりも素敵だったって言ってたけど、本当?」
質問が矢継ぎ早に飛んでくる。
花田がパンパンと手を叩いた。
「はいはい、静かに。その質問は真山さんから聞かなくても、すぐにわかるよ」
社員たちが驚いて顔を見合わせた。
意味深な言葉に有紗の胸がドキリとする。
『すぐにわかる』とはいったい……?
「だが、失礼のないようにしてくれよ。私は副社長に、君たちは優秀な社員だと言って雇用を守ったんだ。大騒ぎしたら嘘だったと思われて……お、ちょうどいらっしゃったみたいだ」
花田が言って社員にこのまま待機するように告げて階段を降りていく。どうやらエントランスに、車が到着したようだ。
「えー、まさか」
囁き合う社員たち。
有紗の心臓が、ドキンドキンと大きな音を立てた。
頭の中は嫌な予感でいっぱいだ。
果たして、戻ってきた花田が伴っていた背の高い人物に息が止まりそうになる。咄嗟に、うつむいた。
「えー、紹介します。先ほどお話しした天瀬商事の天瀬副社長だ。今日は皆に挨拶しにきてくださった」
花田の言葉に、先ほど失礼のないようにと言われていたにもかかわらず、その場からわっと声があがる。
「あー、これこれ。なんのために先に釘を刺したと……。副社長、騒がしくして申し訳ありません」
花田が龍之介に謝る。
「かまわないですよ」
低いけれどよく通る声が答えた。
やはりと有紗は目を閉じた。
「あの人かぁ。雑誌で見たことある。真山さんは、お会いしたことあるの?」
隣の社員に尋ねられて、有紗は気まずい思いで口を開く。
「えーと……。海外事業部にはよくいらっしゃっていましたから……時々は……遠目からですが」
なんとなく、秘書であったことは隠して言う。それでも皆にとっては十分だったようだ。おおーっと声があがった。
「そうなんだ!」
「ねえ、本物はどんな感じなの?」
「前に友達がベリが丘に遊びに行った時に見かけたって言っててさ、そこらの芸能人よりも素敵だったって言ってたけど、本当?」
質問が矢継ぎ早に飛んでくる。
花田がパンパンと手を叩いた。
「はいはい、静かに。その質問は真山さんから聞かなくても、すぐにわかるよ」
社員たちが驚いて顔を見合わせた。
意味深な言葉に有紗の胸がドキリとする。
『すぐにわかる』とはいったい……?
「だが、失礼のないようにしてくれよ。私は副社長に、君たちは優秀な社員だと言って雇用を守ったんだ。大騒ぎしたら嘘だったと思われて……お、ちょうどいらっしゃったみたいだ」
花田が言って社員にこのまま待機するように告げて階段を降りていく。どうやらエントランスに、車が到着したようだ。
「えー、まさか」
囁き合う社員たち。
有紗の心臓が、ドキンドキンと大きな音を立てた。
頭の中は嫌な予感でいっぱいだ。
果たして、戻ってきた花田が伴っていた背の高い人物に息が止まりそうになる。咄嗟に、うつむいた。
「えー、紹介します。先ほどお話しした天瀬商事の天瀬副社長だ。今日は皆に挨拶しにきてくださった」
花田の言葉に、先ほど失礼のないようにと言われていたにもかかわらず、その場からわっと声があがる。
「あー、これこれ。なんのために先に釘を刺したと……。副社長、騒がしくして申し訳ありません」
花田が龍之介に謝る。
「かまわないですよ」
低いけれどよく通る声が答えた。
やはりと有紗は目を閉じた。