御曹司と再会したら、愛され双子ママになりまして~身を引いたのに一途に迫られています~【極甘婚シリーズ】
有紗の意思を尊重して、別れを受け入れた龍之介が、再び彼女を見つけたのは偶然だった。
 
きっかけは花田文具買収だ。今回の買収に当たって社長の花田が絶対条件としたのが社員の雇用と待遇の維持。

社員を家族と思い付き合ってきた花田は、彼らの個人的な事情に合わせて柔軟に労働環境を整えてきた。
 
そして介護や子育て、あるいは身体的な障害など働くのに配慮が必要な社員をリストアップしてこちらへ提示してきた。
 
その中に、有紗の名前があったのだ。
 
はじめは目を疑って、別人だと考えた。彼女は故郷にいるはずだ。

だが念のためと思い千賀に調査を依頼して、本人だと確定した。
 
龍之介は調査資料をパラパラめくる。彼女の大学の恩師が花田と古い友人でそのつてでの雇用だ。

幼い双子を抱えての就職は容易ではないことくらい想像がつく。
 
調査結果には、子の父親については"不明"とある。

故郷に帰った時にはすでに彼女は妊娠してたようだが、男性と付き合っている様子はなかったという。
 
双子の父親は自分だ。
 
龍之介はそう確信した。あの夜、ふたりが愛し合った証だと。
 
彼女が自分との未来を望まなかったのは確かだが、それでもあの夜の彼女の言葉は真実だ。

あの時ふたりは確かに愛し合っていた。その彼女が同時期に別の誰かと関係を持つなど、あり得ない。
 
龍之介は写真の中で笑う、ふたりの男の子を指で辿った。
 
自分に息子がいることに、はじめは驚き戸惑った。そもそも女性に失望し結婚はしないと思っていたのだ。

自分に子どもができるなど、想像していない未来だった。
 
それでも。
 
嬉しかったと言ったら、彼女は笑うだろうか?
 
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