断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「はぁ、この先どうなってくんだろ。わたしのギロチンエンド、ちゃんと回避できるのかな……」
「この流れじゃハナコの断罪なんて起こりそうに思えないけど。シュン王子、あんたしか眼中にないって感じだし」
「だけど山田にいつ強制力が働くか分からないじゃん」
「姉ちゃん、それなんだけどさ。シュン王子見てると、イベントに参加しつつ流れに逆らってるように見えるんだよね」
「流れに逆らう?」

 ソレってどういうこと?
 わたしが首をかしげてると、健太もうーんて首かしげてる。
 って、言い出したのあんたでしょうが。

「その、なんて言ったらいいのかな……シュン王子って一応シナリオ通りの言動はするんだけど、ちっとも心がこもってない、みたいな?」
「あ、ソレなんかわかる。ほら、この前のユイナのお茶会でも、ヒロインに言うべきセリフをわざわざハナコに言いに来たでしょ?」

 あー、そんなこともあったっけ。
 山田の言動もナゾのままだし、コレも頭痛の種って感じだよ。

「ね、健太、シュン王子ってゲームの記憶はなさそうなんだよね?」
「うん、俺から見て、王子はぜんぶ無意識でやってるように思う」

 そりゃそうだよね。前世での山田、乙女ゲームとか無縁そうな人種だったし。

「でもじゃあどうして山田はわたしに固執するんだろう?」
「何か身に覚えはないの? これまでのハナコの記憶の中でさ」

 ハナコは公爵令嬢だから、王子の山田に謁見(えっけん)する機会は子どものころから何度もあったけど。

< 138 / 413 >

この作品をシェア

pagetop