断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「これといったエピソードは思いあたらないなぁ。学園に入学する以前は、あくまで王子と貴族令嬢って関係だったし」
「悪役令嬢ハナコとしては王子のことどう思ってたのよ? あんたが記憶を取り戻す前は、王子の言動にハナコもまんざらじゃない感じで振る舞ってたけど?」
「ハナコ時代はぶっちゃけ選民意識を持ってたってだけかな。恋愛感情って言うよりも、身分的に自分が王子に選ばれて当然的な?」
「なるほど。どっちにしてもシュン王子ご愁傷サマって感じだね。想いがマッタク報われてないし」
「そんな言われてもっ」

 ハナコとして生きてきた記憶も、その時のハナコの感情だとかも。
 華子を思い出した今でも、ちゃんとぜんぶ覚えてるけど。
 だからと言ってふたりが同一人物かというと、自分でも「どうなんだろ?」ってなる。わたしがハナコだってことは否定しないけどさ。

「なぁ、華子姉ちゃん。もしこの先ずっと、シュン王子が姉ちゃんのこと好きなままでいたら、姉ちゃんはどうする?」

 いきなりどしたの健太?
 なんかシリアスモードになってない?

「どうするって……このまま山田に強制力が働かなかったらってこと?」
「うんそう。断罪イベントも起らなくて、エンディングの卒業パーティーで姉ちゃんがシュン王子に選ばれたとしたら……」
「え、冗談。そんなの全力で拒否するに決まってるじゃん」
「どうして? だって姉ちゃん日本では」
「健太っ!」

 うをっ、今度は未希の顔が怖くなってるし。
 今のやり取りん中で、未希が怒る要素どこかにあった?

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