断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ちなみにさ、姉ちゃんはシュン王子のどこが嫌なのかだけ聞いてもいい?」
「どこって……瓶底眼鏡?」
「え、ソコなの?」
「そんな呆れたように言わないでよ。未希だって生理的に受け付けない男から言い寄られたって困るでしょう?」
「そりゃそうだけどさ。ま、華子、昔っから面食いだもんね。イケメン探すためダケに海外の大学行こうとするくらいだし」

 そうなんだよ! わたし日本で高校卒業したあと、外国の大学通うはずだったんだ。
 死に物狂いで勉強して英会話も頑張って、晴れて海外生活が始まるってとこだったのに。

 長谷川ゆいなともみ合ったばっかりに階段から転げ落ちてさ。気づいたらゲームの世界で悪役令嬢やってたなんて、ホントどうゆうこと!?

「華子姉ちゃん、シュン王子の素顔って見たことないの?」
「ないけど。そういう健太は見たことあんの?」
「いや、ないけど」

 山田の素顔? そんなこと考えたこともなかったな。
 もはや瓶底眼鏡は山田の一部って感じだし。

「あー、だったら王子が眼鏡とった姿、一度確認してみたら? 意外と華子好みのイケメンだったりして」
「そうそう。ホラ、よくあんじゃん。眼鏡とったら美形だったってパターン」
「は? 何バカなこと言ってんの。そんな漫画みたいなことあるわけないでしょ?」

 あってせいぜい、英数字の三がふたつ並んだような、33(こんな)ショボ目に決まってるって。

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