断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ああ、ジュリエッタ嬢か。ちょうどいい。シュン王子の希望だ。時間になったら君が必ずハナコ嬢を連れてきてくれ」
「承知しましたわ、ダンジュウロウ様」

 もう! ダンジュウロウにしてやられたって感じ。
 伯爵令嬢のジュリエッタじゃ、公爵家のダンジュウロウの言葉を拒否なんてできないからね。
 これじゃうっかりなんて言い訳もできなくなった。それやったらジュリエッタが責められかねないし。

「ごめん華子。声かけるタイミングが悪かった」
「いいよ。未希は助けようとしてくれたんでしょう?」
「それはそうなんだけど……」
「劇を見るだけだし、今回は健太もそばにいるしね。なんとかなるよ、きっと」

 別に劇のセリフを覚えてるわけじゃないし。
 例えユイナにハプニングがあったとしても、代役をわたしがやるなんてことはまずないだろう。

「じゃあ、行ってくる」

 どうしても居合わせなきゃいけないってなら、ユイナと山田のイベント、きちんとこの目で見届けようじゃないの。

 腹を決めて、開始時間ギリギリに生徒会の演目へとわたしは向かった。
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