断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 屋敷の中じゃメイド任せでゴミ捨てなんかしたことないけど。
 試験のためならここはひとつ練習してみるか。

「そういう未希は何するつもりなの?」
「植物の成長促進の魔法か、枯れた花を復活させる魔法か、どっちにしようか迷ってる」

 なにソレ、いやみっ。
 ってか、レベチのマウント、超ムカつくんですけどっ。

 そんなこんなで未希と別れ、帰りは健太と一緒の馬車で。
 以前は別々に帰ってたけど、山田のキス事件以来ずっと気にかけてくれてるんだ。

「姉上、今日も特に何ごともなかった?」
「ええ、シュン様はお見かけたけしたれど、話かけられはしなかったから……」
「それならよかった」

 御者に会話が届くといけないので、馬車では念のため貴族モードで話をしてる。
 この使い分け、地味にメンドウって感じ。うっかり外で素を出さないように気をつけないと。

「そういえばケンタ、ユイナはまだ……?」
「うん、まだ拘束されてるみたい」
「そう……早く疑いが晴れるといいわね」

 ゲームの世界線から外れすぎて、ここからどう転ぶか予測もできない。
 万が一ユイナがギロチン行きとかなったら、それはそれで目覚めが悪すぎるし。

(長谷川のことは好きになれないけど、さすがに死刑は可哀そうよね)

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