断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「で、ゆいなが持ってきたゲームの中身を確認したらさ、悪役令嬢の名前がハナコになってて。しかも俺が公爵家の跡取りだとか、山田先輩が王子だとか、おかしなこと言うようになった姉ちゃんの話と全部合致しててさ」
「それで華子の中の人がゲームのハナコになったんだって結論に至った訳よ」
「やっぱりそうだったんだぁ。あのあと接近禁止令出されちゃって、ゆいな、華子先輩には一切関われなくなっちゃったから」
「え? ちょっと待って。じゃあ、わたしたちが今いるこの世界って、長谷川が設定したゲームの中ってコト……?」
「有り(てい)に言えばそういうことよね」

 だからヒロインがユイナ・ハセガーで、悪役令嬢がハナコ・モッリだったってワケ?
 ああ、それで王子の名前がシュン・ヤーマダなのね。妙に納得。

 ってか長谷川、あんた現実で山田をわたしに獲られたからって、ハナコをギロチンにかけてゲームで()さ晴らししてたんかっ。
 脱力のあまり、膝から崩れ落ちそうなんですけどっ。

「あ、あとひとつ疑問だったんだけど。保健医ルートと留学生のロレンツォルートのイベントがまったくの手付かずだったのはどうしてなの?」
「ゆいな、オジサンとか興味なくって。保健医ルートは未プレイだったんです。ロレンツォルートはゲームのやり途中で、華子先輩があんなことになったから。それ以上続ける気にもなれなくて……」

 なるほどね。先が読めないからあえて近づかなかったってわけか。
 保健医がヨボじいなのもなんかうなずけるし。

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