断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「さすがはハナコ様、お見事ですわっ!」
「なんて華麗な魔法なんでしょう!」
「あのティッシュの動き、誰にも真似はできませんわ!」

 見え透いたヨイショを当然のように受け取って。
 内心は虚しさでいっぱいだよっ。

「このくらいの魔法、わたくしの手にかかれば造作もなくってよ」

 なのに気づけば、おほほほほって高笑いしてた。
 やだ、ハナコってば。悪役令嬢は廃業したんだから、条件反射みたいに顔出さないでよっ。

「ふむ、ずいぶんと努力したようだね」
「いえ、先生。わたくしの魔力ではこの程度が精いっぱいで……」
「いいや、前回よりも格段に進歩している。生まれついた素養はどうにもならないが、持てる能力を伸ばせるかどうかは個々の頑張り次第だ」
「では、先生……」
「うむ、君は試験合格だ。おめでとう、ハナコ・モッリ君」

 やった! 評価が公文(くもん)式でよかったって感じだし。
 にしても腐らずに頑張った甲斐はあったよね。

「次回は卒業試験、さらなる高みを期待しているよ」

 って、これ以上は無理ですってば、先生っ。
 とほほってなりつつも、拍手喝采を浴びながら席に戻った。

< 235 / 413 >

この作品をシェア

pagetop