断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 その放課後、取り巻き令嬢たちと学園の庭でティータイム。
 今日未希はいないけど、今残ってる取り巻きたちはみんないい子ばっかり。何の問題もなく平和そのもので。
 小春日和な感じでポカポカ陽気が心地いいな。試験で魔力を使ったからか、なんだかウトウトしちゃって眠気が抑えられないや。

「あら、ハナコ様、眠っていらっしゃるわ」
「今日の試験でお疲れになったのね」
「そうね。このままそっとしておいてさしあげましょう」

 小声で会話しながら、取り巻き令嬢が静かに微笑みあっている。
 なんかまだ起きてるよって言い出しにくい雰囲気なんですけど。

「ハナコ様、最近変わられましたわよね」
「あなたもそうお思いになる? わたくしも以前よりおやさしくなられたなって」
「というより、元々お持ちだった令嬢の誇りに、慈愛が加わってさらに強くなられたような……」

 ちょっと、むずがゆいこと言わないでっ。
 でもいい人キャンペーン、地道に続けた結果が順調に芽を出してるな。わたしに聞こえてないと思ってる分だけ、この会話はウソ偽りのない本音だろうし。

「それにしても寝姿もお美しくていらっしゃいますこと」
「本当に。まるで地に降り立った女神(アフロディーテ)のようですわ」

 やだ、もっと言って!
 じゃなくて、ますます起きづらくなっちゃった。

< 236 / 413 >

この作品をシェア

pagetop