断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第55話 どっちもどっちな王子様

 右に山田、左にロレンツォ。
 その間を背後から割ってくるのがマサトとダンジュウロウで。

「ハナコ嬢のカップが冷めてしまったな。今入れなおそう」
 そりゃダンジュウロウ、左右から両手取られてたら飲めるわけないでしょう?

「お、こっちの菓子も旨いぞ。ハナコももっと食べろよ」
 だからねマサト、この状況でどうやって食べろって言うのよ。

「ハナコ、どれが食べたい? わたしが口に運ぼう。遠慮なく言うといい」
 遠慮すんに決まってんでしょうが。ってか山田、マサトの腕の下から顔近づけてくんな。

「蜜に群がる害虫ばかりで興ざめだな。ハナコ、次はふたりきりだ。いいな?」
 上手いこと言うね。でもロレンツォも同類だから。そしてなに勝手に予定決めてんのっ。

 健太とゆいなはイチャついてて使い物にならないし、リュシアン様はニコニコ笑って見てるだけだし。
 こうなったら自力で追い払うしかないわけで。
 効率よくやっつけるなら、まずは常識人から攻めるべし。

「ダンジュウロウ様、入れなおすならあちらでやってくださいませんこと?」
「いやしかし……」

 ダンジュウロウはロレンツォをブロックしながら、魔法でティーポットを浮かせてる。
 多分、わたしが困ってると思って動かずにいてくれてるんだと思うけど。

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