断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「王子のわたしが大丈夫だと言ってもか?」
「立場にものを言わせて無理に従わせるなど、王子としてお恥ずかしくはありませんの?」

 不敬ギリギリを攻め込んだ。元から言いたいことは言いたい性分なので、これでも言い足りないくらいなんだけど。

「うむ、一理あるな。分かった、ハナコが自分から一緒にいたいと言い出すように、わたしもさらに努力をするとしよう」

 くっ、この意味不明な自信を、瓶底眼鏡ごと上段回し蹴りでへし折ってやりたい。いや、耐えろ華子。破滅ルートはまっぴら御免だ。

(たわむ)れはこれくらいにしてください。シュン様は王位を継がれる身。わたくしにばかりかまけていては周囲に示しがつきませんわ」

 ここフランク学園は貴族の子女が通う王立の学園だ。

 山田は王子でありながら、貴族と同じ机で肩を並べて勉学に励んでいる。座学やスポーツ、魔法学から人望に至るまで、何をとっても常に学年トップだ。

 生徒会長を務めているのも、王位に立つ予行演習みたいな位置づけらしい。

「わたしにはハナコだけがいればいい」

 懲りもせずに手を取って来た。ああ言えばこう言う山田にいい加減嫌気(いやけ)がさしてくる。いや、さいしょっから嫌ってるんだけどねっ。

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