断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第60話 そうだ、留学しよう

 放課後の図書館で備え付けの机に座って。
 広げてるのは初歩魔法の参考書。中身はまぁ小学生レベルで子供でも読めるようなヤツ。

(はぁ……結局補習か……)

 魔法学の授業に出られなかったから、放課後にマンツーマンで補習を受けることになっちゃって。
 魔法学の先生ってちょっと厳しんだよね。冗談とか通じなさそうなタイプだし、今からホント気が重いよ。

 補習の内容は魔法基礎の座学の長時間コースと、魔法をひとつ披露して合格貰えればその場で終了の試験コース。どっちがいい? って先生に聞かれたけど。
 試験の方がハードル高いんだよね。前回の結果を越えないと合格もらえないし。

 そうなったら座学を選択せざるを得ないワケで。
 あの先生、授業中にいちいち質問してきて、答えられないとレポート課してくるんだ。少しくらい勉強しとかないと、あとがもっとたいへんになりそうだよ。

 そんなわけで今はゆいなが来るのを待ちながら、健気(けなげ)に自習にいそしんでる。
 図書館には独りで来るなって山田に言われてるけど、ここは貸し出しカウンターのすぐそばだからね。司書の教員も何人かいるし、危ない目にはまず合わないって感じ。

 それはさておき、ハナコって公爵令嬢だけあって、これまであんま勉強してきてないんだ。
 両親もさ、学校の勉強なんてしなくていいよ、それよりも淑女マナーと社交に力入れましょうってスタンスだったし。

 くしゃみが出そうになって、備品のティッシュを一枚しゅっと魔法で引き寄せた。

< 315 / 413 >

この作品をシェア

pagetop