断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「お嬢様、騒々しくして申し訳ございません」
「大丈夫よ。みんなわたくしのためにやってくれてるんだもの」

 言葉にはされなかったけど、メイド長もちょっと驚いた顔して手を止めた。

「ねえ、今のわたくしってそんなにおかしいかしら?」
「おかしくはございませんが……」

 口ごもって目をそらされる。
 ハナコってば、気に入らないとすぐメイドをクビにしてたからなぁ。もうそんなことしないから安心してほしいんですけど。

「怒らないから思っていることを言ってみて」
「はい、最近のお嬢様はお変わりになった……と言うより、むしろ子供の時分のお嬢様に戻られたように感じております」
「子供のころのわたくしに?」

 はて、思ったのと違う回答が出てきたぞ?
 戻ったって言われても、ハナコってばどんな子供だったっけか。
 ダメだ、ことあるごとに高笑いしてる場面しか思い浮かばないっ。

「幼い頃のハナコお嬢様は、使用人や動植物にも分け隔てなくやさしく接する天使を体現したかのようなお子様でした」
「まぁ、そうだったかしら……?」
「それが淑女教育を学ばれるにつれ、貴族としての誇りを抱かれるようになりまして……」

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