断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ハナコ嬢、もう一杯必要か?」
「これも旨かったぞ。ほら、こっちのも」
「姉上、口元にクリームが」

 マサトとダンジュウロウに挟まれて、逃げ場なんかないし。
 ケンタはケンタで、後ろから首に腕巻き付けてきたりするし。
 なんでみんなしてこんなに好感度爆上がりしてんの?
 っていうか、ユイナ、ヒロインの仕事ちゃんとしてんのか?

 もお、いろんなことがグルグルしすぎて、頭がキャパオーバーなんですけどっ。

「あの、こちらにハナコ様は来ていらっしゃいますか?」
「ジュリエッタ!」

 ああ~ん未希ちゃん、我が救世主よ!

「約束の場所にいらっしゃらないから心配いたしましたわ」
「ジュリエッタ嬢、よかったら一緒にどう?」
「あらケンタ様、よろしいのですか?」

 なんて感じで未希も交えて、このとんちきなお茶会はしばらく続いた。
 下校の時間が来て、ようやく解放されたんだけど。

「ハナコ様、週末にお屋敷にお伺いしてもよろしいですか?」
「ええ、もちろんよ、ジュリエッタ」
「急なお話にも関わらずありがとうございます」

 うをっ、未希の目がちっとも笑ってねぇ。

 今日、作戦会議できなかったから、わざわざ時間取ってくれたんだよねっ。
 うん、もう、最高級の茶菓子用意して待ってるからっ。

 翌日の昼過ぎ、ガクブルのままわたしは未希を迎えたのデシタ。

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