クールな海上自衛官は想い続けた政略妻へ激愛を放つ
反射的に頭を下げると、スタッフさんはニコニコと「失礼いたします」と言って向かいに座り、タブレットと数冊の分厚いパンフレットをテーブルに置いた。ちらっと横に目をやると、天城さんはソファに座っていても気持ちがいいほど姿勢がいい。
「式場を探されているとお伺いしておりますが……ご希望などはございますか?」
「かわいい式にしたいんですが」
天城さんがサラリと言う。私はやっぱり目を丸くしてしまう。私の希望なんて聞いちゃっていいんだろうか?
だって政略結婚で。
私の意思なんか、どうでもいいはずで。
でも天城さんは、どうやら私の意思を尊重しようとしているらしかった。
なんて優しい人なんだろう、気持ちもない相手に……。
「かわいい式ですか。具体的にはどのような」
スタッフさんが私に微笑むと、天城さんはちらっとこちらに目を向けた。
「ええと……実現できるかは、わからないのですが」
なんとか、訥々と説明する。
「こぢんまりとした教会で、優しいゆっくりとした雰囲気で」
言いながら「そんなの無理だよね」と諦めモードに入っていく。
第一、政略結婚なのだ。少しでも華やかに、病院同士の結びつきをアピールする場でなければならない。
「あ、あの。多分無理だと……」
言いかけた瞬間、天城さんと目が合った。天城さんは「ならそうしよう」となんでもないことのように言う。
「披露宴は……俺の仕事のこともあるしできれば人が多く呼べる会場にしてもいいか? ただ式は……そうだな、ふたりきりでもいいと思う」
「え」
ふたり?
「海外のほうがいいか? 悪いが職務上、できれば国内が望ましいんだが」
「あ、えっと、場所にとくに希望はないのですが」
「そうか」
会話しつつもびっくりしっぱなしの私から目を逸らし、天城さんはスタッフさんにいくつかの候補名を挙げた。
「ああ、そちらの教会がご希望ぴったりかもしれませんね」
そう言ってスタッフさんがタブレットをいじり、ディスプレイに表示してくれたのは、同じ神奈川県内の葉山にある小さな教会だった。木造の温かな雰囲気のチャペル。大きなガラスから差し込む日差しは夕方のものなのだろう、バージンロードに並べられたキャンドルがいっそう輝いて見える。
「わあ……」
思わず見惚れてしまった。なんて素敵なんだろう。
「見に行くか。明日の予定は」
「あ、明日ですか」
「式場を探されているとお伺いしておりますが……ご希望などはございますか?」
「かわいい式にしたいんですが」
天城さんがサラリと言う。私はやっぱり目を丸くしてしまう。私の希望なんて聞いちゃっていいんだろうか?
だって政略結婚で。
私の意思なんか、どうでもいいはずで。
でも天城さんは、どうやら私の意思を尊重しようとしているらしかった。
なんて優しい人なんだろう、気持ちもない相手に……。
「かわいい式ですか。具体的にはどのような」
スタッフさんが私に微笑むと、天城さんはちらっとこちらに目を向けた。
「ええと……実現できるかは、わからないのですが」
なんとか、訥々と説明する。
「こぢんまりとした教会で、優しいゆっくりとした雰囲気で」
言いながら「そんなの無理だよね」と諦めモードに入っていく。
第一、政略結婚なのだ。少しでも華やかに、病院同士の結びつきをアピールする場でなければならない。
「あ、あの。多分無理だと……」
言いかけた瞬間、天城さんと目が合った。天城さんは「ならそうしよう」となんでもないことのように言う。
「披露宴は……俺の仕事のこともあるしできれば人が多く呼べる会場にしてもいいか? ただ式は……そうだな、ふたりきりでもいいと思う」
「え」
ふたり?
「海外のほうがいいか? 悪いが職務上、できれば国内が望ましいんだが」
「あ、えっと、場所にとくに希望はないのですが」
「そうか」
会話しつつもびっくりしっぱなしの私から目を逸らし、天城さんはスタッフさんにいくつかの候補名を挙げた。
「ああ、そちらの教会がご希望ぴったりかもしれませんね」
そう言ってスタッフさんがタブレットをいじり、ディスプレイに表示してくれたのは、同じ神奈川県内の葉山にある小さな教会だった。木造の温かな雰囲気のチャペル。大きなガラスから差し込む日差しは夕方のものなのだろう、バージンロードに並べられたキャンドルがいっそう輝いて見える。
「わあ……」
思わず見惚れてしまった。なんて素敵なんだろう。
「見に行くか。明日の予定は」
「あ、明日ですか」