クールな海上自衛官は想い続けた政略妻へ激愛を放つ
「俺はなんでも食べる」
端的に答えられて、「はあ」と曖昧な相槌を打った。
「ええと、洋食で」
わかった、と言う感じで天城さんは頷く。それきり会話はなくなって、私はフロントガラス越しに風景を眺めていた。運転したら、きっとこんなふうなんだろうな。
想像すると楽しくなる。
必要ないというお義母さんの判断で、車の免許は取っていない。ただ、運転できることには憧れる。
「……楽しそうだな」
ぽつっと天城さんが言う。私はハッとして頭を下げた。
「す、すみません」
そのまま助手席が目新しい理由をざっくりと説明する。免許を持っていないからこんな光景が珍しいのだと。
「いつか運転してみたいなとは思っていたんですけど」
結局、とる機会を逃してしまったなとぼんやり思った。
車は高速道路に入り、快調にスピードを上げていく。
天城さんは納得したようにうなずいた。
「免許か。わかった」
とても大事なことのように彼は言う。私は不思議に思いながらも、あっという間に流れていく風景に夢中になった。なにしろ高速道路なんてめったに通らないから。
けれど天城さんの上手すぎる運転は、昨日あまり眠れなかった私には居心地がよすぎた。頭の奥が眠気でじんわり重くなる。
寝ちゃだめでしょう。
私は必至で目を見開く。ふ、と運転席で小さく微笑まれたような気がして天城さんのほうを見る。天城さんはまっすぐに前を見たまま「気にするな」とややぶっきらぼうにも思える口調で言う。
「着いたら起こすから、寝ていろ」
「でも」
「いいから、寝ろ」
不愛想な口調に確かに感じる優しさに、気が付けば素直に甘えてしまおうと目を閉じていた。
心地よいエンジンの振動の中、ゆりかごに揺られるみたいに、夢さえ見ずに私はぐっすりと眠る。
ふと意識が浮上したのは、こめかみにふと柔らかな体温が触れたような気がしたからだ。
ぱちりと目を開けると、鼻先が触れ合ってしまいそうな距離に天城さんの顔があった。びっくりしすぎて目を丸くする。頬に一気に熱がこもった。
天城さんもこれでもかと目を見張り、それから微かに眉を寄せて私から離れる。
「悪い。シートベルトが苦しいかと」
「え……? あ、わあ、すみません!」
端的に答えられて、「はあ」と曖昧な相槌を打った。
「ええと、洋食で」
わかった、と言う感じで天城さんは頷く。それきり会話はなくなって、私はフロントガラス越しに風景を眺めていた。運転したら、きっとこんなふうなんだろうな。
想像すると楽しくなる。
必要ないというお義母さんの判断で、車の免許は取っていない。ただ、運転できることには憧れる。
「……楽しそうだな」
ぽつっと天城さんが言う。私はハッとして頭を下げた。
「す、すみません」
そのまま助手席が目新しい理由をざっくりと説明する。免許を持っていないからこんな光景が珍しいのだと。
「いつか運転してみたいなとは思っていたんですけど」
結局、とる機会を逃してしまったなとぼんやり思った。
車は高速道路に入り、快調にスピードを上げていく。
天城さんは納得したようにうなずいた。
「免許か。わかった」
とても大事なことのように彼は言う。私は不思議に思いながらも、あっという間に流れていく風景に夢中になった。なにしろ高速道路なんてめったに通らないから。
けれど天城さんの上手すぎる運転は、昨日あまり眠れなかった私には居心地がよすぎた。頭の奥が眠気でじんわり重くなる。
寝ちゃだめでしょう。
私は必至で目を見開く。ふ、と運転席で小さく微笑まれたような気がして天城さんのほうを見る。天城さんはまっすぐに前を見たまま「気にするな」とややぶっきらぼうにも思える口調で言う。
「着いたら起こすから、寝ていろ」
「でも」
「いいから、寝ろ」
不愛想な口調に確かに感じる優しさに、気が付けば素直に甘えてしまおうと目を閉じていた。
心地よいエンジンの振動の中、ゆりかごに揺られるみたいに、夢さえ見ずに私はぐっすりと眠る。
ふと意識が浮上したのは、こめかみにふと柔らかな体温が触れたような気がしたからだ。
ぱちりと目を開けると、鼻先が触れ合ってしまいそうな距離に天城さんの顔があった。びっくりしすぎて目を丸くする。頬に一気に熱がこもった。
天城さんもこれでもかと目を見張り、それから微かに眉を寄せて私から離れる。
「悪い。シートベルトが苦しいかと」
「え……? あ、わあ、すみません!」