噛んで、DESIRE
愛を噛む

変えたいココロ







「じゃあ、いまから文化祭の出し物を決めます!」



とある日のLHR。

先生の代わりに教壇に立った文化祭実行委員のクラスメイトが、そう勢いよく言った。


うちの学校の文化祭は、他校より早い。

そのかわり体育祭が秋頃にあるため、行事ごとのバランスは保っている。


夏休みに入る前に訪れる文化祭は、準備期間は短いといっても毎年大盛況だ。


「ということで、意見あるひとは手を挙げてください!」



即座に手が挙げた人たちが発言し、わいわいしている教室で、隣の吾妻くんに視線を送ってみる。

彼にしてはめずらしく起きていて、わたしの視線に気付いて不思議そうに首を傾げた。


「ん、なに?」


きょとんとする顔は、かなりあざとい。

こんな表情まで出来るのか……と半分呆れつつ、小さな声で尋ねる。





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