好きだなんて、【完】
死ぬなんて、絶対嫌だ。
だって、
「俺…まだ、しずくに好きだって言えてないのに、っ…」
こんなに好きなのに。
あんまりだろ、神様
いや俺が全部悪いのか。
正解なんて分からないけど、伝えられる時に好きだって言うべきだったんだ。
しずくっていう存在が半永久だと思い込んで、こんなにすぐに終わりが来るなんて想像もしてなかった。
すると個室の扉が開いて、
「な、凪くんっ…」
泣きじゃくる、しずくの姿があった。
幻?
だってさっきつららが…
「何ぽかんとしてんの…!私、『しずくはもう意識を取り戻して、今検査中』って言いたかっただけだからね!?」
「は?」
呆れ顔のつららに頭が追いつかない。
…しずくが、生きてる。
俺はしずくを守れたってことなのか?
「早とちりして、勝手にしずくが助からなかったって勘違いしちゃってさ…」