恋の病に、堕ちてゆく。
自らドアを開け、急いで鏡に背を向けてしゃがみ込む。

見えてないよね?
スエットで出来るだけ前方を隠した。


「入るよ」

「……」

「酷いな、染みるだろ。じっとしてろ、すぐに済ませる」

「……」

綿棒が傷口に触れる。

なぜか自分で触れた時よりも痛くなかった。
傷口を見ずに済んでるからかな?

ピリピリとした痛みに堪える。

綿棒が素早く背中を移動していく。

手際いいな…。


「よし、ガーゼ貼るぞ」

「はい!」

青波の動きに、やましさなんて欠片もなかった。
< 108 / 261 >

この作品をシェア

pagetop