幼なじみの不器用な愛し方
鏡を見るまでもなく、まぶたが重い。

昨日泣いた分は今日の朝には何とかなったけど、まさか2日連続目を腫らせることになるとは。


「こんな目のキャラクターいたよね」

「あぁ、緑のやつですか?」

「そう、それ。それだけど、言い当てられたら微妙な気分だね」

「あははっ、美月先輩が振った話じゃないですか」


軽快な口調で言われて、思わず笑ってしまう。

屋上を後にしても谷瀬くんの調子は今までと変わらなくて、わたしもまた今まで通りに接することが出来ている。

でも、それが努力の上で成り立っていることを、わたしは忘れちゃいけないね。


階段を降りると、1年生のフロアだ。

そこをスルーしてわたしと一緒に階段を降りようとする谷瀬くんを制す。


「教室まで送りますよ。その顔じゃ、1人で戻りにくいでしょう?」

「この顔のわたしと一緒にいたら、谷瀬くんが白い目で見られるよ」

「おれのせいで間違いでもないし、いいんじゃないですか」


あっけらかんと言うけれど、だめだよ。

谷瀬くんにそこまで背負わせられないし、お断りした以上、甘えてばかりいられない。


「もうすぐチャイムも鳴るし、大丈夫だから。時間とってくれて、ありがとね」
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