幼なじみの不器用な愛し方
それを合図にするように、リップのとれた唇に有斗の形のいい唇が重なった。


「……っ」


離れたと思ったら、またすぐに触れる。

いつの間にか背後に壁が迫っていて、昨日よりもずっと長いくちづけにくらくらした。


「ん……っ」


息が続かなくなってきて、開いた唇の隙間から漏れ出たのは、自分のものじゃないみたいな声。

恥ずかしさと苦しさで思わず有斗のトレーナーを掴んだ瞬間、両肩を掴まれた。


「っぶねぇ……!」


がばっとわたしから体を離した有斗は、慌てたように息を大きく吸い込んだ。

突然温もりが離れて、少しの寂しさがわたしを襲う。


「……危なかった。理性飛びかけた」

「へ……?」


何が起こったのかわからず首を傾げるわたしを、有斗が忌々しそうに見た。


「今すぐにその顔どーにかしてくれ。頼むから」

「その顔って……何それ」

「……自覚ねーの、幸先危ぶまれんだけど」


眉間に皺を寄せて、有斗がわたしのほっぺをぎゅっと摘む。


「俺の理性も限界があるから、あんま煽るような可愛い顔すんなっつってんの」
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