幼なじみの不器用な愛し方
「そんなこと……。ただ、花火大会の時から気になってたから、つい……」

「そうかな。俺、お前は俺の熱狂的なファンなんだと思ってるんだけど。まぁ、違ったら恥ずかしいから、これは否定してもいいよ」


笑いを含んだ声が却って怖い。

じりじりとメグちゃんが追い詰められていく。


「ガラルの香水さ、俺がデビューした時からお世話になってるバンドのメンバーの1人が、この匂い好きだってSNSに載せてたことがあるんだよな。

俺の昔からのファンの中には、そのバンドから知って応援してくれてる人も多くてさ。お前もそのクチじゃねーのかなって」

「……」

「俺に近づくには、美月を介すのが一番だとでも思ったのかな。いきなり話しかけても俺、相手にしねーし、何より目立つもんな」


芸能界に入る前までは積極的にアタックする子もいたけれど、高校生になって少ししてからの有斗は、遠くから鑑賞する対象になっていた。

それが暗黙のルールみたいになっている、というのは結子が言ってたんだっけ。


「体育祭の実行委員になって美月に近づいて、菊池達を巻き込んで花火大会に誘えば、上手くいけば俺がついてくると思ったんじゃねーのか?

まんまと俺はやってきて、あくまでも自然に関わりを作った。LIMEのグループ作ろうっつったのもお前だったよな」
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